2013/02/17(日)プチ拷問

先月、付録目当てで初めて「美的」って雑誌を買ったんですよ。欲しかったのは「足ツボサンダル」。見た目はビーチサンダル風というか、早い話がゴムぞーりです。ピンク色だし蝶の飾りがついていたりと、デザインは可愛いが、履き心地は凶悪です。痛い痛い。ほんの数歩でギブです。ま、ちょっとした拷問。罰ゲームに使えるレベル。でも不思議なことに、あまり痛くない日もあるんですよね。なんでだ。実は今も履いたまま椅子に座ってますが、指の股が超痛い。

でも、日常にこういうちょっとした刺激があるのはいいんじゃないかと思ったり。健康を意識するので。今、お灸セットを買おうかどうか迷い中。効きますかね、あれ。

乾は、手塚のために鍼灸を学んだりするってのもありかもしれない。男前の鍼灸師ってことで、ものすごく人気が出るんじゃないか。データマンと鍼灸って相性がよさそうな気がするんだがどうだろう。
どんな仕事についても、株で手堅く資産運用しそうです。お金そのものには執着しないけど、駆け引きが好きそうな気がする。

VD話が終わらない。昨日、分割アップはしないと書いたけど、自分にプレッシャーをかける意味で、やっぱり途中まであげようかなと思い始めた。しかし、やっぱりいっきに読まないとつまらない気がする。で、迷った末、きりのいいところまでこそっと「続きを読む」の中に上げてみることにしました。折衷案…といっていいのか。半端でいいやって方は「続きを読む」をクリックしてみてください。そうでない方はスルーでどうぞ。

■期間限定

乾と初めて寝たのが2月14日だったのは、ただの偶然だった。
15のときだ。
確かとても寒い冬だった。
偶然とはいえ、「初めて」が覚えやすい日だったばかりに、2月14日が近づくと、なにかしらあの日のことを思い出したりする。
そのたびに、くすぐったい気持ちになったり、なんとなく落ち着かなくなったりしてしまう。
乾とは長い付き合いになったが、2月14には必ず会うというわけでもない。
ひとりで忙しく過ごしたこともあれば、そばにいたときもあった。
わざわざ無理に時間は作らないが、可能ならば会う。
乾との距離感は、ずっとそんな感じだ。
だが、少なくともその日に乾のことを思い出さなかったことは、一度もなかったはずだ。
もし初めて寝た日が2月14日ではなかったから、こんな風に思い出しただろうか。
偶然というのも、なかなか侮れない。
手塚は、10年後に乾の話を聞かされるまで、本気でそう思っていたのだ。

「え、手塚、あれが偶然だって本当に信じていたのか?」
「だって、そうだろう?」
乾は、一瞬きょとんとした顔で固まったかと思うと、次の瞬間にはソファの背にもたれかかり肩を揺らして笑い始めた。
ついさっきまで、耳に心地よい落ち着いた声で、昔の話をしていたのと同じ人間とは思えない豪快な笑い方だ。
手塚の方は、乾の反応についていけず、乾が笑い終えるのを待つしかなかった。
この状況は、正直言って非常に面白くない。
何が起きたのか理解はできていないが、笑われているのが自分だということはわかるからだ。

手塚は他にすることもないので、ソファの前に置かれたテーブルの上にある白い皿に手を伸ばした。
何の飾りもないシンプルな皿に載せてあるのは、レーズンの入ったチョコレートだ。
いわゆる板チョコタイプなのだが、かなり厚みがある。
それを乾が食べやすいようにと、いくつかに割って皿に載せたのだ。
久しぶりに乾の部屋に訪れた手塚に、コーヒーとともに出してくれたのが、このチョコレートだった。
そういえば、今日はバレンタインだったなと思い、うっかり10年前の話なんか始めてしまったのが、そもそもの始まりだった。
露骨な話は避けながらも、あの頃の思い出話をゆっくり話すのは悪い気分じゃなかった。
美味しいコーヒーとチョコレートによるリラックス効果もあり、ついあの「偶然」のことも口にしてしまったのだ。

──まったく。
悔し紛れに、ひとかけ味わったチョコレートは、今の気分とは無関係に美味だった。

手塚が不機嫌な顔をしているのにようやく気づいたのか、乾はごめんと言いながら身体を起こした。
といっても、まだ顔は笑ったままだ。
「悪かった。笑いすぎだな、俺」
「とりあえず、そこまで笑う理由を説明してもらおうか」
手塚が睨みつけると、乾は目を細めて微笑んだ。
昔から、手塚が怒ると喜ぶ男なのだ。

(続きは後日)
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