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■INTERMISSION Fetishism
手塚が何かを堪えているときの顔がたまらなく好きだ。
何度でも言いたいくらい、大好きだ。
だけど、本人の目の前で、そんなことを言うわけにはいかない。
言えば、きっと思い切り嫌な顔をして、神経を疑うだの、思っていても口に出すなと怒り出すに決まっている。
正直なところ、手塚の怒った顔も好きなので、俺はそれでも構わないが、本気で機嫌を損ねた手塚なら、お前は当分ソファで寝ろと言い出しかねない。
それはかなり困るので、自重するに限る。
手塚のそういう顔が、「くる」と最初に気がついたのは、多分中学の部活の最中だ。
手塚は前屈がやや苦手で、練習前のアップや柔軟で、誰かに背中を押されると、眉を寄せ苦しそうな顔をする。
その顔が、かなりまずい。
しかも、ぐっと力を入れられると、喘ぐような短い声を漏らすことがあって、そんなときは「まずい」を通り越して、俺は「ヤバい」状態になるのだ。
そういう手塚の顔をオカズにしたことも、何度かあったが、それは口が裂けても本人には言えない。
今はもう前屈で顔を歪める手塚を見ることは出来ないが、別の理由でなら、いくらでも見る機会はある。
苦痛というよりも、強すぎる快感に耐えるため、強く唇を噛んだり、乱れそうになる自分を抑えるために震えながら、シーツを強く握る。
そんなときの手塚の顔が、本当に好きだ。
俺のせいで、
俺のために、
俺だけに、
見せる顔。
目にする度に、どうしようもなく、手塚が愛しくなる。
ずっと、以前。
それこそ、中学生の頃には、手塚になりたいと思ったこともあった。
でも、今はそんなことは一切考えない。
手塚になって、俺の好きな顔を見ることができなくなったら、寂しくて死んでしまうかもしれないから。
2007.05.10
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フェチな乾ってのは、すでに脳内デフォルトです。
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